我が家の庭で咲いている花

椿・土佐有楽(とさうらく) 花を分解

写真撮影 --- 2025.3.3, 3.5, 3.13
写真1 我が家の土佐有楽 咲き始め
 撮影2025.3.3
椿・土佐有楽
写真2 我が家の土佐有楽 拡大撮影
 花弁に付いている白く丸い数個のものは
 この上で咲いている白梅から落ちてきた花びら。
 周囲の土の上の多数の小さく見える白丸もそれ。
 撮影2025.3.3
椿・土佐有楽2
写真3 雄蕊に囲まれた中心部の雌蕊
 雄蕊は多数、
 雌蕊は1個でその先端の柱頭は6~7裂
 後に6裂だと解った(写真4, 6, 7, 8 参照)。
 撮影2025.3.3
椿・土佐有楽3
写真4 雌蕊を拡大観察
 雌蕊の先端・柱頭は6裂
 撮影2025.3.3
椿・土佐有楽4
写真5 落花(落ちた花)
 花弁と雄蕊がくっつき合ったまま
 落花しました。
 そういう落花の仕方は椿特有のようです。
 撮影2025.3.5
椿・土佐有楽5
写真6 落花後に残った萼と雌蕊
 花(ここでは花弁と雄蕊)は落ちても、
 萼片と雌蕊は落ちないで残っています。
 撮影2025.3.5
椿・土佐有楽6
写真7 落花後に残った雌蕊
 柱頭は6裂
 花柱の形からして、柱頭の分裂は、
 まず3裂した後、各2裂して、計6裂。
 撮影2025.3.5
椿・土佐有楽7
写真8 落花後に残った雌蕊
 柱頭は、3裂した後、各2裂して、計6裂の様子。
 撮影2025.3.5


椿・土佐有楽8
写真9 2番目に開花した花
 落花前の雌蕊とそれを囲む 花弁と雄蕊です。
 この2番目の花も1番目と同じく、柱頭は6裂。
 3裂後、各2裂して6裂になった様子も覗える。
 撮影2025.3.13


椿・土佐有楽9
写真10 花を分解
 雌蕊は木に付いたままで分解していません。
 萼片は手で抜き取りました。
 雌蕊以外の花の部分を分解してみました。
 花弁は5枚、萼片は2枚、
 雄蕊は多数で筒状となっている。
 撮影2025.3.5
椿・土佐有楽9

寺田寅彦邸で咲いていた椿・土佐有楽

写真撮影 --- 2025.3.17



写真11 我が家の土佐有楽と全く同じ感じ。
 当たり前だろうが。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽11
写真12 寺田寅彦邸に植えられた最初の土佐有楽
 右端の方から左端の方へ伸びている木
 かなり老木なのでなのか花数は少ない。
 ピンク色の小さく写っている花。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽12
写真13 雌蕊を拡大
 雌蕊の柱頭は6裂、我が家のと同じだ(写真4, 7, 8, 9 参照)。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽13
写真14 地表に落花している花1
 花弁と雄蕊集合体筒 の合体状態で落花。
 雌蕊と萼は落ちないで木枝に残っているのだ(写真6参照)。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽14
写真15 地表に落花している花2 蕊(しべ)部拡大
 雌蕊が抜けて不在なのがよくわかる。
 萼も雌蕊と一緒に木枝に残っている筈だ(写真6参照)。
 そういう落花の仕方は椿特有のようです。
 その様子、写真6 を参照ください。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽15
写真16 落花してうつ伏せになっている花
 雌蕊がぬけた穴がある。
 萼片も付いていない。
 僕よりも先にここへ来た人が
 こんなに並べたのでしょうか?。
 撮影2025.3.17
椿・土佐有楽16
このように育ててみました。

樹齢 --- 6年
環境 --- 鉢植えを、 2月中旬に地植えにした。
日当り - 半日陰
----- 鹿沼土40:赤玉土30:腐葉土3
肥料 --- 化成肥料少し 挿し木2年目の4年前に1度
----- やや多目
分類 --- ツバキ科ツバキ属
原産地 - 日本、中国、東南アジア
特性 --- 半日陰、水はけ を好む。
花言葉 - 紅色:気取らない優美、白:申し分のない魅力

花の様子・備考 ---

我が家 ピンク色の椿 土佐有楽

一重の柔らかいピンク色の花です。
約6年前に挿し木したのが、
明くる年に開花し、
その次の年は、花が付きませんでした。
そのまた次の一昨年、そして昨年今年と
開花してくれました。

昨年は20個ほど沢山の花が付き、
早、2月上旬に開花し始めましたが、
今年は3月1日の開花となり、
昨年よりもほぼ丁度1ヶ月の遅い咲き始め
となりました。
今年は昨年と打って変わって、
1月から2月下旬まで、寒い日が続いたせいで、
遅い開花となったのでしょう。

今年は、昨年掲載したこの椿を、
もう少し花内部の蕊(しべ)等にこだわって
掲載してみました。
各写真にそれらの様子の記述を添えてあります。

そんな様子から、この椿 [土佐有楽(とさうらく)] は、
(1) 花弁が5枚
(2) 雄蕊(おしべ)は多数で筒状に集合している
(3) 花弁化している萼(がく)は2枚
(4) 雌蕊(めしべ)は1本で、
  その柱頭(ちゅうとう)は3裂した後それぞれ2裂し、
  合計6裂となっている。
(5) 子房(しぼう)は無毛である
なんてことが分かりました。


我が家のこの椿は、昨年も紹介しましたが、
下記のような種類の椿です。
即ち、
高知市の寺田虎彦邸に植わっている椿の
(その挿し木で育った?)枝だと言われて頂いた
その小さな枝を挿し木して根付いたものです。
寺田虎彦が好んでいた椿の種類なのかどうかは
分かりませんが、おとなしい桃色の素晴らしい花です。
我が家のこの椿は、
寺田寅彦邸にある椿「土佐有楽(とさうらく)」
と同じ品種だろうと思います。

寺田寅彦邸 の椿「土佐有楽」

 

撮影写真等は下に掲載の 写真11~写真16 にあります。


寺田寅彦邸の「土佐有楽」椿 の由来
寅彦のお父さんが東京から持ち帰った椿「有楽(うらく)」
であると言われていました。
しかし、持ち帰った花「有楽」と、現在寅彦邸にある花とは
花の色や形、雰囲気はよく似ているが、寅彦邸の花は
「有楽」よりもやや大きな花であるようで、
「有楽」と呼ばず、「土佐有楽(とさうらく)」と呼んでいる
ようです。
現在も、寺田寅彦邸の庭中央辺りと裏庭に健在で。

「有楽」という花名の由来

有楽の花名の由来のことですが、
それは、織田信長の頃にさかのぼります。
茶人千利休の門下であった、信長の弟である織田有楽斎
(織田長益)がこの花を大変好んでいたことにより、
彼の名に因んで名付けられた椿花なのだそうです。
花や茶の湯に親しんでいた信長にとっても喜ばしい
命名であったことでしょう。

寅彦の父寺田利正は、多くの趣味を持っていたようですが、
茶道にも精通していたということもあり、
茶花にも大変向くこの花を好んだのでしょう。
高知への帰郷(明治15年1月)の際、
この椿を持ち帰ったというのも十分うなずけます。

牧野植物園 の椿・土佐有楽

この椿の枝を、高知県立の牧野植物園でも、挿し木して、
今は、素晴らしい土佐有楽の花を毎年咲かせている
ようです。

寺田寅彦邸と高知県立牧野植物園
にある「椿・土佐有楽」

の花を昨年写真に収めて、この我がホームページに掲載しました。
よろしければ、そちらの方もご覧ください。


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